私はマイクロ法人を作って、社会保険料を最適化(法律で定められている最低限の額に)することができました。
やたら高い国民健康保険料を負担せずに済んでいるので、やって良かったなと思っています。
でも実際にやってみて、正直「しくじったな~」と思ったことなどもありますので、今回はそんなデメリットなどを中心にお話します。
やってみて初めてわかるような発見は、どんなことにもありえます。
行動すれば当然ながら失敗することもあるので、失敗した時は、その時に修正すればいいんです。
いろんなことを学びながら、致命傷にならないようにだけ気をつけて、たくさん転んで失敗して、経験値を積みながら、人生を楽しんで生きたいですね。
赤字でもいいんだ
法人をやる前は「絶対に黒字にしなきゃいけない」という、謎の縛りを自分に課していました。
「赤字って悪いこと」という、無意識の意識があったんです。
でも、マイクロ法人やってみて、初めてわかりました。
「あっ、なんだ、法人ってちょっとくらい赤字の方がいいんだ」って。
法人をもっていれば「均等割」の7万円は、必ず支払う必要があります。
しかし、所得が多いほど納税額が増える「法人税割」は、法人が赤字の場合、所得がゼロとみなされて発生しないのです。
そして、その法人の赤字は10年間も繰り越すことができるのです。
例えば、1年目・1万円赤字、2年目・1万円赤字なら、3年目・2万円黒字であっても、1年目と2年目の赤字の繰越が2万円あるので、黒字となった3年目も法人税割は発生しません。
1年目の大失敗
私の開業1年目は、見事に失敗しましたね~。
「あまり稼げないかも。」「でも黒字にしなきゃ。」「黒字にするには、役員報酬を低めにした方がいいかな。」と考えてしまい、役員報酬を15,000円とかなり低く設定して、1年目をやってみたのです。
そして1年目の決算時、当初見込みより売上があがってしまい、役員報酬を低く設定していたことで、黒字が出てしまい、法人事業税を11万円も支払うことになったのです。
結果としては、自分の役員報酬を削ってまで、国庫に納付する形になりました…。
いや、まぁ、税金を多く支払うことで世のため人のためにはなったので、それはそれで悪いことではないのですが…。
そもそものマイクロ法人を作った目的(税金を最適化=均等割の7万円だけを支払う形にする)を達成できなかったわけですよ。
この教訓を踏まえ、2年目からは、マイクロ法人のやり方として推奨されている役員報酬額 月45,000円に設定して、法人税割が発生しないように、ちょい赤字になるくらいの売上で活動しています。
えっ、給料を自分で決めていいの?
ちなみに法人は、1年に1回、書面により役員報酬を決めることができます。
役員報酬は、役員の過半数の賛同で決定されます。
法人には私ひとりしかいませんので、 私の意見 = 法人の最終決定 になるのです。 最高。
赤字について、もう少しだけお話します。
赤字が続くということは「手持ち資金が減少していく」ということを意味します。
でも、少々の赤字であれば「手持ち資金の減少していく幅が小さい」ので、10年でも20年でも法人を継続させていくことができるのです。
どうしても手持ち資金が減っていくことが心配なら「自己資金を追加投入して、資本金を増やす」ことも選択肢としてはありえますが、そこまでする意味は正直ないのかな、と。
赤字が続くことのデメリットとしては「銀行の評価が下がって融資を受けにくくなる」みたいなことがよく指摘されることがありますが、そもそも銀行から借りるつもりがなければ、デメリットでもなんでもないんです。
マイクロ法人はどんな仕事でもよいのですが、ランニングコスト(維持費)がたくさんかかってしまったり、銀行からの融資を必要とするような仕事は、マイクロ法人には向いていないと思います。
例えば、大量の商品の仕入れをしなければいけない仕事だったり、事務所を借りて家賃や水道光熱費が高額になってしまうような仕事は、マイクロ法人としてあんまりオススメできません。
資本金は100万円を目安に準備して、初期投資50万円以内、維持費・年間10万円以内で収まらないと、何年も続けることができない、と思われます。(← あくまで私の経験に基づく【目安】です。「絶対にこうじゃなきゃいけない!」という訳ではありませんので誤解なきよう。)
その意味でも、私は、自宅兼事務所にして基本的にお客さんのところに出向いていくスタイルで、自分で簡単にできる範囲しかやらないという縛りで、家事代行を選択しました。
月7万円くらいの売上があって、極力、維持費をかけないで存続させることさえできれば、「社会保険料の最適化」という目的が達成・継続できるのです。
開業届の出し忘れ
「法人を設立したら、開業届は忘れずに出しましょう」
マイクロ法人を指南している動画などでは、必ず注意事項として言われていることです。
実際、私もマイクロ法人を設立する時、忘れてはいけないこととして、チェック項目に書き込み、忘れずに開業届を出しました。
しかし、1年目の法人決算が終わってから1か月ほど経ったある日のこと、税理士事務所さんから電話が…。
「何だろう?もうとっくに決算も終わって、法人税も納付済みなんだけどな。」と思って話を聞いてみると「開業届が出ていません。」とのこと。
「えっ?間違いなく出した記憶があるんだけど、何で?」
詳しく話を聞いてみると、「国(税務署)には提出してありましたが、県と市に出していなかったようですので、当事務所の方で対応します。未提出に関しては、特にペナルティなどはないはずですので、心配する必要はありません。」
…なるほど、確かに県税事務所と市役所には届け出をした記憶はありません。
税金の名称は、法人県民税、法人市民税とあるから、当然、県と市にも届け出が必要ですやね。
税務関係のお仕事をしている人にとっては、あらためて言わなくても当たり前すぎることなんでしょうけど、初めて法人を作った私にとっては、盲点でした。
幸い、手際の良い税理士事務所さんにお世話になっていますので、私は何もしなくても問題解決できました、とさ。
税理士さん 頼りになります
素人(初心者)は、知識と経験がないので、何をどうすれば良いのかわからず、制度を調べるのにも仕事を処理をするのにも、かなりの時間がかかってしまいます。そして、成果品には時間がかかる上に誤りがあって二度手間がかかってしまうようなことも、十分にありえます。
プロフェッショナル(専門家)は、知識と経験があるので、何をどうすれば良いのか、すでに知っています。初めてのことであっても、それまでの経験から正しい見立てをすることができます。そして、間違いやすいポイントなども熟知しているので、成果品は速く正確に仕上がります。
「プロに依頼する」ということは、その人の知識と技術と時間を使わせてもらい、適正な報酬をお支払いして、効率的で正確な仕事をやってもらうということです。
ですので「プロに無償で仕事をやってもらう」なんてことは、相手の知識・技術・時間を軽んじる行為であり、とても失礼なことなんだな、と認識をあらためました。
プロに頼むということは、自分にとって最大のメリットが得られる価値のあるお仕事をしてもらっている、ということなのです。
※余談ですが「プロフェッショナル」と「スペシャリスト」と「エキスパート」という3つの言葉、専門家という意味を持つ似たような言葉です。私は、その違いがハッキリわかっていませんでしたので、調べてみました。
スペシャリストとは、特定の分野を専門にする人です。
エキスパートとは、ある分野で経験を積んだことで、高度な技術を持つ人です。
プロフェッショナルとは、特定の分野を専門としている人の中でもそれを職業としている人です。
つまり、スペシャリストは知識がある人、エキスパートは知識と経験・技術がある人、プロフェッショナルは専門職として報酬を得る人、という言葉になります。いや~、勉強になった。
さて、余談が過ぎました、元の話に戻りましょう。
「プロに頼む」という言葉には、どうしても敷居の高いイメージがあり「高い料金を取られてしまう」と思ってしまいがちです。私も、かつてはそうでした。
でも、どんな仕事にも、その内容や作業料や難しさによって、報酬の相場があるのです。
そして、相手が素人なのをいいことに、十分な説明もせず、おろそかな仕事しかせず、相場以上の報酬を要求するという方も、ごく少数でしょうけどいると思います。残念ながら。
だから、仕事を依頼する方も「報酬の相場はいくらか」と「相手が信頼できるか」を判断する力が必要だと思います。ボッタクられないように。
信頼できる人とは、依頼者の話を聞いてくれて、適切な解決方法の見立てをしてくれて、相場として妥当な報酬額を提示してくれる人です。
(リベ大 両学長) 【今後ますます重要に!】良い税理士の見分け方・探し方を徹底解説【お金の勉強 初級編】:(アニメ動画)第225回
さて、話が長くなってしまったので、ここでいったん一区切りします。
てへぺろ
今回のアイキャッチは Image Creator Designer を使って作成してみました。
初めに「てへぺろ」とだけ指示をしたら、さすがに作ってくれませんでしたので、
「日本人の男の子が、失敗をしたけれど、それを誤魔化す様に、自分の頭に自分の手で軽く拳骨をしながら、舌を軽く出すような仕草」 とプロンプトを打ったら出てきた画像です。
すげーな、AI画像生成。
コメント
「最高」のところで、クスっと笑わせてもらいましたが、とても深いです!
法人事業税11万!
稼ぎましたね笑
すごい!贅沢な悩み!
ただ、月7万売上を上げるイメージがまだ持てません。この辺は走りながらにはなると思うのですが、素人は足踏みしてしまいます…。
とても参考になり、勇気をもらいました。
いつもありがとうございます!
すーさん、コメントありがとうございます~😊
記事にも書きましたが、私はビビりなもので、開業当初は稼げないと思って役員報酬を15,000円に下げて、無理をした結果の納税ですからね。今となっては、初めからリベの助言(役員報酬は45,000円がベスト)のとおりにやれば良かったと思っています。
「情報の見極め」と「素直に行動すること」の両立は、自分にとって永遠の課題です。
初めての挑戦に足踏みするのは当然だと思います。
稼げる保証はありませんが、リベシティのスキルマーケットで実験してみてはどうでしょう。売り手も買い手もシティの人だし、ローリスクで商売の経験が積めるのでありだと思います。また、12/12にリリースされたばかりのノウハウ図書館では「スキルマーケットで自分のサービスを改善する3つのポイント」などの有益な記事がゴロゴロありますし。
便利な場所(リベ)を使い倒して、お互いに、上手に失敗と経験を積み重ねて生きましょう。