マイクロ法人やってみた① ~概要とメリット~

行政書士開業

今回は、マイクロ法人の仕組みと実状などについてお話します。

私は「個人事業として行政書士」「マイクロ法人として家事代行」をやっています。

どちらも一人社長です。

雇っている社員さんなどはいませんので、会計のことなど諸々を全て一人でやらなければいけません。

しかし、全てを自分一人で決められるという自由 = 自己決定権 があるので「今の自分には合っているのかな」と思っています。

(リベ大 両学長) 第174回 サラリーマンがフリーランスになって驚く5つのこと【お金の勉強 初級編】

そもそも、人それぞれ

マイクロ法人の仕組みが自分に合うか・合わないかは、身も蓋もありませんが「人それぞれ」としか言えません。

会社や組織に所属するのが合っている人もいるでしょう。

でも会社にいるのが、いろいろと辛くなってきた、という人もいるでしょう。

人生のステージが変われば「何を大切にしたいか」の価値観も少しずつ変化します。

そして、その時その時で最適は変化するものです。

最適が変化しているのに、変化を恐れて今までのやり方に固執すれば「自分が辛くなるだけじゃないかな~」と、私は思うのです。

(呪術廻戦 魔虚羅 漫画でも社会でも環境へ適応すること大事ですね。)

「全ての人にとって、マイクロ法人がベストの方法だ」とまでは言いません。

でも、もし今の勤務先の会社が合っていなくて、自分の自由を求めて独立・起業を考えており「社会保険料を安くしたい」という人の心には刺さる = 考える価値のある方法・手段 だと思います。

マイクロ法人とは?

マイクロ法人とは、自分が社長であり、かつ社員でもある「自分一人だけの会社のこと」です。

もっとぶっちゃけて言えば「社会保険料を払うための会社のこと」であり、

唯一にして最大のメリットは、現行の法律下で「社会保険料を安くできること」です。

※ 少し話が脱線しますが、社会保険料の負担や税金の負担が、年々重くなっているので、今世間では岸田首相を増税メガネと揶揄しています。食品やガソリンなどの物価が上がり、日々の生活が大変になっている、という気持ちはよくわかります。でも人を貶めるような言葉は、あまり気持ちのよいものではありませんね。今の日本は、人口が減り続け、稼ぐ力も衰えています。これは現実です。国は国として、制度が破綻しないように国民に負担を求めるというのは、当然の帰結です。国による制度改悪に対して、いくら愚痴や文句だけ言っていても、何も変わりはしません。自分の影響の輪の範囲外のことですからね。であれば、個人でできること・できないことを見極めて、できることがある人は、個人でできることをやっていきましょ、と私は思うのです。(認知症や障害をお持ちの方を支援している立場なので、日本国民の全員ができるわけではないことも承知しています。) さて、本題に戻ります。

マイクロ法人の肝は、「収入と社会保険との連動性をぶった切ること」にあります。

(またまた 呪術廻戦より 両面宿儺の世界を断つ斬撃「解」 問題があるのなら細かく区切って各個撃破しましょう。ひとつひとつ、です。)

個人事業として稼ぎを伸ばしていく収入の柱と、マイクロ法人として最低限の稼ぎで最低限の社会保険料を納めることを別々に考えましょう、という仕組みです。

会社に入れば、社会保険に入ります。

大企業の場合、企業単独で健康保険組合を運営していることもありますが、マイクロ法人など中小企業の場合、全国健康保険協会(協会けんぽ)に加入します。

社会保険に入れば、会社が半分、自分の給料から半分、保険料を負担します。

社会保険の仕組みは、給料が多いほど社会保険料が高くなります。

令和5年度保険料額表(令和5年3月分から)

社会保険料は、都道府県ごとに、毎年ごとに、決められています。

新潟県の場合は、報酬月額が63,000円未満の時、健康保険料が一番安い、ということがわかります。

「わかった、マイクロ法人を作って給料を63,000円にすればいいんだね」 おしいです。

実は、もう一工夫が必要で「給料は、月額45,000円にするのが最適」です。 なぜでしょうか?

月額45,000円×12か月=年額540,000円にする理由は、給与所得控除550,000円の範囲内となるため、非課税で個人に給料を払えるから、です。

下記のリンクは、「自分の人生を変えてくれた」と言っても過言ではない動画です。私は今も時々見返しています。↓

(リベ大 両学長) 【有料級】独立のための完璧な「家計ノウハウ」を解説【会社辞めたい人必見】【稼ぐ 実践編】:(アニメ動画)第73回

社保・税金いくら? 手取りは増えた?

手取り金額の結果からお教えします。

独立1年目は公務員時代と比べて約300万円減少(大赤字)

※独立1年目、2年目は赤字になるのが当たり前、と考えた方がよいです。だからこそ、生活防衛資金を準備(安心感を確保)してから動き出すことが大事なんですね。

2年目はトントン(やや赤字)

3年目(今年)にやっと少し黒字の見込み

4年目(来年以降)は黒字の幅を大きくできる(自分のがんばり次第)かな

といった感じです。

今の私は、マイクロ法人の仕組みを活用して、健康保険料6,467円、厚生年金保険料16,104円、子ども・子育て拠出金316円、合計で月額22,887円を、社会保険料として支払っています。

これを労使折半して、マイクロ法人負担11,602円(子ども・子育て拠出金含む)、個人負担11,285円として、月額給料45,000円-個人負担11,285円=手残り33,715円です。この手残りは、個人的なお小遣いとして毎月自由に使っています。

マイクロ法人のため、社長 = 社員 = 自分ひとり です。よって労使折半とはいえ、結局全額を自分で払う形にはなるのですが、社会保険料は月額22,887円×12か月=年額274,644円(A)です。

まぁ今後は、この最低水準の金額も上がっていってしまうことが予想されますが…。

社保以外にかかる税金としては、法人県民税20,000円+法人市民税50,000円=計70,000円(B)です。これは均等割といい、法人は必ずみんなが支払うものですので、これ以上は下げられません。

これに加えて個人の所得税・住民税・個人事業税がかかります。こちらは、個人事業の前年の売上が控除内でしたので最低限の5,000円(C)でした。

令和4年(独立2年目)の私は、マイクロ法人70万円+個人事業150万円=220万円、社保・税金35万円(A+B+C)を納めて、手取りが185万円でした。

令和5年(独立3年目)の私は、マイクロ法人70万円+個人事業300万円(見込み)=360万円、社保・税金35万円を納めて、手取りが320万円となり、ようやく黒字となる見通しが立ったところです。

一般的な会社員のモデルケースでは、年収400万円の場合、社保・税金90万円を納めて、手取りが310万円とのことですので、これとほぼ同じくらいでしょうか。

今後は自分のがんばり次第で手取りが増えていくことを考えると楽しみです。

マイクロ法人を作って起業・独立すれば、誰の命令にも従う必要なく、自己責任で自分のやりたい仕事をやれて、自由な時間と健康を確保しながら、収入アップも望めます。

「良いこと尽くしのようだけど、本当にそんなことできるの?」そう思われるのも、無理ありません。

体験したことない・わからないものは、誰でも怖く感じるものであり、プールに飛び込む前は、その深さはわかりませんからね。

「飛び込んでみればわかる」と言いたいところですが、すでに実践している者の意見・感想を聞けば、「あれ、このプールって、意外と浅いんだな」と、恐怖心は和らぐかも知れません。

ですので、次回は「マイクロ法人のデメリット」というか「実際にやってみてから、初めて気付いたこと」などについて、お話したいと思います。

コメント

  1. すー より:

    「その時その時で最適は変化するもの」

    再認識&共感です。
    全てを知り尽くしたと思っていても、それは勘違いであることが多いです。
    変化はとても痛みや苦しみを伴いますが、「最適」を目指すには不可欠と考えます。

    社会保険の動画、私の再生回数ナンバーワンです。後は行動か…。一歩ずつ進んでいきます。いつもありがとうございます!

    • gyouseishosi-mu gyouseishosi-mu より:

      すーさん、コメントありがとうございます😊

      そうですね~、【最適】ってなに?って言われると、「誰にとっても正解なもの」ではなく、「自分にとって心地が良いこと」のような気がします。

      また、【変化】するということは、今までの一部分を捨てるということでもありますから。慣れ親しんだものを手放すのは抵抗感もありますし、とても勇気のいることです。

      でも、ぼちぼちと自分なりのペースで【行動】していれば、いつの間にか最適な方向に変化しているものです。なんにも無理をする必要はありません。今日も楽しんで行きまっしょう。

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