後見人のお仕事 ~1年の流れ~

成年後見制度

今年の夏も暑いですね。35℃以上の猛暑日が当たり前のようになっています。こまめな水分補給と適切に冷房を使って、熱中症にならないようお互いに気を付けましょう。健康が第一です。

さて、今回は後見人のお仕事について。

後見人は、親族の方がなる場合が約2割、専門職(弁護士、司法書士、社会福祉士など)の方がなる場合が約8割、となっています。

親族や専門職ではない、一般の方も後見をすることができる(市民後見人と言います)のですが、成年後見制度の知名度自体がまだまだ低いこともあり、一般の方が後見をしているケースは、とても少ない状況です。

市民後見人とは? (5年以上も前の情報ですが、裁判所が平成29年に作成した広報PDFです。)

認知症になる高齢者は、年に何十万人というペースで増えていますが、後見人のなり手は絶対的に不足しています。ですので、裁判所と市役所など協力して「市民後見養成講座」を開催し、市民後見人を増やそうと取り組んでいるところもあります。

市民後見人が増えない理由は、「大変そう、面倒くさそう」だから、でしょう。私はそう思います(笑)

ですが、「イメージだけで語る」のではなく、現時点で10人以上の後見人(保佐と補助を含む)をしている私が「実際にやってみて、本当に大変なのか」を語ってみたいと思います。

「大変そう」と思われる理由は、恐らく「後見人は、何でもかんでもやらなければいけない」という誤解があるから、だと推測します。

ずばり言えば、「そんなに難しいことはやらないでもよい。人には向き・不向きがあるけど、自分は後見をやってみて、そんなに苦労は感じていない」というのが、正直な意見・感想です。

医療は医療、介護は介護、後見は後見、とそれぞれの持ち場があるわけで、それぞれの得意分野の仕事に専念するべし、という意識です。

後見人の向き・不向きについて言うと、市役所や金融機関などで書類の手続きを何年かやったことがある人は、まずやれるでしょう。家計簿をこまめに付けている、という人も後見人に向いていると思います。ボールが来たらすぐにパスを出せるような人、フットワークが軽い人、も向いています。

後見人としてやるべきことは、ある程度、決まっているので、「この時期にこれをやる」という見通しが立てられるのです。

具体的に言えば…

2月は、医療費の助成制度を利用している方の場合、個人申告をする必要があります。

私が後見をしている人は、大体、年金収入しかありませんので、「年金以外の収入はありません。」と紙一枚を市役所に出すだけです。いわゆる「ゼロ申告」ってやつですね。

4月は、土地・家屋がある人は、固定資産税を支払う必要があります。自動車税も春ですね。

私が後見をしている人は、大体、お金に余裕のない方ばかりですので、土地・家屋や車などの財産を持っているケースは少ないです。納税通知書が届いたら、速やかに支払うだけですが、これも口座振替の設定を一度してしまえば、通知が届いて引落し日に確認するだけになります。

5月は、施設などに入所している方の場合は、施設からの案内に従って、収入申告をして、施設利用料を決定してもらう必要があります。

6月は、国民年金や障害年金を受給している人は、年金機構から、年金額改定通知書、年金振込通知書が届きます。

7月は、市役所から、国民健康保険証、介護保険証、負担限度額認定証などが届きます。

自宅やアパートで生活している人には、月1回程度の訪問予定日に合わせて直接お渡しします。

施設などに入所している方の面会頻度は、四半期に1回とか半年に1回とかケースバイケースなので、面会予定日を待たずに担当職員さんあてに郵送します。(自分用のコピー控えを取ってから。)

こうやってまとめて書くと「大変そう」に見えますが、【一定の時期に、一つのタスク】をやればよいだけなので、意外と楽に捌けてしまうのです。

また、8月以降は、定例的にやるべきことが、やや落ち着く時期になりますので、これからまた新規の後見相談も積極的に受けていこうかな~、と考えています。

現状、10人以上の定期的な訪問をこなしながら、決まった時期に行うタスクもこなしながら、突発的なこともこなしながら、それでも十分に余裕をもって仕事の予定が組めています。

1週間の予定を具体的に言うと、平日4日間(月火木金)の午前中のうちに、外回りをして被後見人のところを訪問したり、市役所に行ったり、金融機関に行ったり、家庭裁判所に行ったりするような段取りを組んで、午後は自宅兼事務所で書類整理をしたり、電話で必要な連絡や日程調整などをします。

ダンドリ、大事ですね。

(ピクミン4 Nintendo Switch 2023年7月21日発売 ダンドリがとても楽しいゲームです。)

時には一日中、外回り、という日もたまにはありますが、それはそれで楽しいものです。

整理が早く終われば、あとは自由に時間を過ごせます。翌日以降の準備をしておいて、翌日以降が楽になるようにしておければ最高です。

水曜日は余白として意識的に予定を開けておくようにします。

もし、突発的なことが起こっても柔軟に対応できるようにしておき、特に何も起きなければ、自由に過ごせてしまうのです。

(後見人報酬の具体的なお話しは、また改めて書きます。)

コメント

  1. すー より:

    むーさん、お久しぶりです!
    月1投稿になり、少し寂しさを感じているファンのすーです🤣

    今月税理士試験を控えている身ですが…7月は少し自分の人生を考える一月となりました。追い追いお伝えとご相談をしたいです!

    成年後見については、興味が湧いてきて、自分でも色々調べるようになりました。ただ、やはり第一線で活躍されているむーさんのブログが一番身になります。

    暑い日が続きますが、お体第一!さらなるご活躍をお祈りしています✨

    • gyouseishosi-mu gyouseishosi-mu より:

      すーさん、コメントありがとうございます~。

      税理士試験は合格率20%以下と、かなりの難関と聞いていますので、決して簡単なものではないとは思いますが、目標に向かって努力されている すーさんは、単純に「すごいなー」と尊敬してしまいます。(私なんかは、試験科目を聞いただけで、脳みそがショートしてしまいそう…。)

      単なる日記みたいになっている当ブログを、いつも読んでいただきありがとうございます。「後見について興味が湧いて」なんて、ありがたいお言葉まで…。

      投稿頻度は月一回くらいのつもりですが、思い付きで加筆したり、追加で投稿したり、ゆるゆるとやっておりますので、気が向いた時にぜひご覧いただければ幸いです。

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