「判断」はできる 「決断」は難しい

行政書士開業

今回は「判断材料がない時でも、自分で【決断】することが大事」「漫画から感銘を受けたこと」についてのお話です。

私が独立・開業を考え始めたころ、とにかくいろいろな本を読んだり、動画を見たり、人と話したりして、役に立ちそうな情報や考え方などを参考にしようと、もがいていました。

人生は、判断と決断の連続です。

「判断」…ある事柄について、考えをまとめて定めること。その断定した内容。

「決断」…きっぱり決めること。

判断と決断は、普段、区別なく、同じような意味合いで使うこともある言葉でしょう。

唐突ですが、私は漫画好きです。「カバチタレ!」という漫画を、ちょこっとだけ紹介します。

行政書士が主人公の珍しい漫画で、日常での法律や、さまざまな人間模様が描かれています。

登場人物は一癖も二癖もあるキャラばかりで、とても個性があり魅力的です。

話の展開は大体10話で一まとまりのストーリーになっており、二転三転のドラマに満ちています。

モーニングという雑誌で約20年も続いていた連載で、「カバチタレ!」全20巻(1999.11.22~2005.06.23) 「特上カバチ!!」全34巻(2005.10.21~2013.06.21) 「カバチ!!!」全39巻(2013.12.20~2021.12.23)と、3部構成になっています。連載は2021年に終了しています。

(参考 日本経済新聞 2022年11月20日) 田島隆さん「カバチタレで行政書士を22年描き続けた」漫画原作家・特定行政書士・海事代理士

私が感銘を受けた言葉は、特上カバチ!!34巻 第三百四十九話 大野勇、最後の仕事 の235ページ、主人公・田村勝弘が勤務する行政書士事務所の所長・大野勇が言った、次のセリフでした。

「材料が揃えば「判断」なんちゅうモンは誰でもできる。じゃが、材料のないところで物事を決める【決断】ちゅうのは、よっぽど肝が太くないとできんで…」

漫画の一人一人のキャラやストーリーの詳細はここでは紹介しませんが、第二部の最終盤に至るまでのストーリー展開とキャラの個性や考え方、そして心情などがあいまって、このセリフを初めて見た時、とても感動したのと同時に「ハッ」と気づきを得たことを覚えています。

くしくもその話のテーマは、予期しない交通事故に遭ってしまう内容であったり、今、私がメインのお仕事にしている後見人のことであったため、強く印象に残っているのです。

とある状況下で、いろいろな判断材料があって、判断を下す。これは誰でもできるよ、と。

一方で、判断材料はない中で、決断しなきゃいけない場面もある。

そういう場面で決断ができる人は、なかなかいないよ、と。

経験豊富で丹力でのし上がり、事務所を経営し、いろんな仲間・人脈があって、自分でなんでも解決できそうな大野所長ほどの人であっても、判断に迷う時があるのだなぁ。

でも、周りの人との会話からきっかけを得て、最後には自分で決断していく姿がカッコいいなぁ、と。

ひるがえって、自分が独立・開業するか・しないかを迷っていた時「高齢化社会なので後見の需要は高まっているし、自分には福祉部署で勤務していた経験や必要そうな知識もある。家族の了解も得られたし、仕事上の福祉関係の知人も何人かサポートしてくれそうだ。自分に向いている仕事なのかもしれない。自分一人で独立・開業してもやっていけるかも」という判断材料はいくつかありました。

しかし、最終的な決断がなかなかできずに、モヤモヤしてしまう時もありました。

なぜなら、チャレンジしたとしても、成功が保証されているわけではないからです。

でも、大野所長のこのセリフに出会った後「そうか、判断には客観的な材料があって、それを頼りにすることができる。でも、決断はあくまで主観的なもので、なにも頼りにすることはできない。最後は自分の心に従って決めるしかないんだな」と、ものすごく腑に落ちたのです。

ノーペイン・ノーゲイン。何かを得ようとする時には、必ず痛みを伴います。

何かを決断するということは、何かを捨てるということでもあるからです。

今ある利益を抱えながら、新しく大きな利益をものにしよう、というのはちょっと欲張りです。

それができるのならば、すでに皆がやっていますからね。

私も「なるべく現状維持したい」「その方が楽だから」という気持ちはあります。

ですので「今ある何かを捨てる」という決断は、普段はなかなかできません。

でも「3年前の自分が、公務員を辞めて独立・開業して、自分なりの自由を得て、人生を、自分の時間をもっと楽しみたいという決断をして、行動を続けてきたからこそ、今の自分があるのだ」と思うと、あらためて「人生は判断と決断の連続なのだなぁ」としみじみ思うわけです。

普段なにげなく読んでいた漫画から、感銘を受けたり、胸に刺さるような言葉に出会えることもあるので、偶然っておもしろいし、無駄に思えるようなことこそ大事な時もありますね。

人が・いつ・どこで・何に・影響を受けるのかなんて、わからないもんです。

以上「私が迷いの中にいたころ、一つの漫画の一つのセリフから、とてもポジティブな影響を受けました」という、たわいないお話でした。

さて、と、仕事の日程調整をして平日丸一日オフの日を作って、久しぶりにまた快活CLUBにでも行って、漫画の世界に浸ろっかな~。

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