独立3年目 ~どのくらい稼いでる?~

行政書士開業

突然ですが、独立してから現在までの、私の月収推移をぶっちゃけてみようかと思います。

以前、大体の金額で年収推移は書いたことはありますが、今回は月収で、より解像度を高めた内容になります。

ダレトク?(それを聞いて、誰が得するの?)という感じがしないでもないですが、ひょっとしたら誰かの何かの参考になるかな~、と。

独立0年目 ~2020年~

いきなり「0年目って何?」って感じですが「今思えば、独立前からやっていたことが、結果的に後々の収入につながっているのかな」と思ったことがあるので、それを3点ほど。

① 生活防衛資金(2年分)を溜めておき、安心感を確保する。

私の場合、生活防衛資金(何かあった時の貯金)として、月の生活費が20万円(住宅ローン返済含む)と試算して、24か月分で480万円を確保しました。

「もし仮に2年間、収入ゼロだったとしても生活を維持できる」という安心感の確保です。

当然ながら、人それぞれ、月に必要な生活費の額は異なります。

あまりいないと思いますが、「月5万円で生活できるぜ」という人なら120万円で2年間は生活を維持できます。

「自分の今の生活費が月にいくらか、全くわかりません」「貯金は、全くありません」という状態では、さすがにチャレンジできません。

まずは、生活費を把握しましょう。

そして、満足度を下げずに生活費を下げる努力をしましょう。

さらに、できる範囲で少しずつでも貯金しましょう。

「生活防衛資金を確保したうえで、リターン(収益)を求めて、リスク(可能性の振れ幅)を取る」ようなチャレンジであれば良いですが、1年後の生活もおぼつかなくなるような「ただ単にデンジャー(危険)」なだけの無謀な挑戦は、オススメしません。

まさに「恒産(こうさん)なくして、恒心(こうしん)なし」ですね。

※ 四書の一つである孟子の記述に基づく故事、慣用句。「安定した財産なり職業をもっていないと、安定した道徳心を保つことは難しい」といった意味です。(ウィキペディア参照)

(リベ大 両学長) 第79回 生活防衛資金はいくら貯めれば良いか?【お金の勉強 初級編】

② 「価値観マップ」を作り、家族とも話し合い、同じ方向を向いて歩む。

価値観マップとは、「自分が人生で大切にしたいこと」を図で見える化したものです。

マップを作るのが面倒であれば、紙に箇条書きで書き出すだけでも良いと思います。

「自分の心がブレているかも」と感じた時、「何を目指して行動しているんだっけ?」と、出発点を確認するために見直します。

私は半年に1回は価値観マップを見直し、更新しています。

同じ自分であっても、半年前の自分との比較でさえ、今の自分自身や周りの環境は変わっているため、考え方や感じ方が変化しているハズです。

まさに「万物流転(ばんぶつるてん)」ですね。

※ この世にあるすべてのものは、絶え間なく変化してとどまることがないということ。「万物」は、この世の中、天地間に存在するもののすべて。「流転」は、絶えず変化し続けること。(Google参照)

そして、家族との話し合いの大切さです。「この道を進みたいから」と言って自分のわがままだけを通すことはできません。

自分の考えをきちんと伝えて、多少なりとも理解してもらって、できれば家族からの意見をもらって、必要に応じて計画を修正しながら、同じ方向を向いて同じ方向に歩むこと、が大切であると考えます。一番身近な家族に信頼してもらい、応援してもらうために。

(リベ大 両学長) 第26回 人生の羅針盤(価値観マップ)を作ろう!作り方解説【人生論】

③ 介護施設や障害者支援相談所の職員さんと仲良くして、自分のことを知っておいてもらう。

私は、とてもありがたいことに、独立直後に成年後見についての相談を受注することができました。

その理由は、今後の仕事をするにあたって、なくてはならない関係者に「独立前に自分のことをある程度、知っておいてもらったから」だと思っています。

「知ってもらわなければ、存在していないも同義」ですからね。

自分が知られていないのであれば、まず自分を知ってもらうために足しげく施設などに顔を出したり、宣伝広告費としてお金を使って何かしらのPRをするという、結構な苦労をする必要があった、と思っています。

そして、PRの苦労をしたとしても、必ず実を結ぶ(=収入につながる)とも限らないのがツライところで、ただ単に徒労に終わってしまった、なんてことも十分ありえるのです。

その時、その場で一生懸命、真摯に仕事をして、周りの人に認めてもらうことで、少しは良い評判が広がり、次の仕事につなげることができた、のかもしれません。

(リベ大 両学長) 【軽視しがち】「信頼口座」の残高を増やすアクション5選【人生論】:(アニメ動画)第157回

独立1年目 ~2021年~

2021(令和3)年 3月末・市役所退職 4月0円 5月0円 6月0円 7月0円 8月10,000円 9月30,000円 10月0円 11月0円 12月55,000円

1年目は95,000円でした。(4~12月の9か月で割って、月平均10,556円)

自力で稼ぐことの難しさを身をもって痛感した年です。

公務員時代には、控除前の支給額で約550万円/年でしたので、500万円以上の激減です。

主な収入は、相談料です。初回は30分無料、2回目から1回5,000円を目途に、事前に料金を説明して了解を得られた方から報酬をいただきました。

内緒ですが、生活保護レベルで本当にお金のない方の場合は、報酬ゼロ、といったケースも正直ありました。無料でやってしまうことが当たり前になってしまえば、自分の業として成り立たず、続けることができなくなるので、本当はやってはいけない完全な悪手です。それを承知のうえで、支援がどうしても必要で止むを得ない場合だけの緊急措置として、自分の裁量の範囲内で。

(出典:ハンター×ハンター)

器用で人脈が広い人であれば独立直後であっても、いろいろな仕事ができてすぐに稼げるのでしょうが、私は器用ではなく人脈もそんなに広くないですので、成年後見の仕事に特化すると決めて独立しました。

結果、1年目の収入は、10万円にも届きませんでした。

ただひたすら愚直に、相談の依頼があれば丁寧に時間をかけて、ご本人とその親族、周りの支援者の方との信頼関係を構築するように努めました。まぁ言ってみれば種まきの期間ですね。

相談を受けた中には、話し合いを重ねた結果、残念ながら「成年後見は利用しません」という結論になったケースも当然あります。相談の全てが申立まで辿り着けたわけではありません。

「独立2年目からは、後見1年分×人数分の報酬が、得られるようになる」という見込みと、「本当にこの方法でこの道に進んで行っていいのか?」という不安の入り混じった1年目でした。

独立2年目 ~2022年~

2022(令和4)年 1月60,000円 2月10,000円 3月10,000円 4月60,000円 5月0円 6月10,000円 7月0円 8月562,000円 9月30,000円 10月40,000円 11月341,000円 12月370,000円

2年目は1,493,000円でした。(12か月で割って、月平均124,417円)

後見人報酬がようやく得られ始めた時期で、乗り物で例えれば「飛行機が滑走路からようやく離陸できそうかな~、どうかな~」という感じでした。まだまだ安定感はない状態ですね。

この年から、思いがけず、前の職場(市役所)から「成年後見制度についてお話してくれませんか?」なんて依頼が舞い込むようになりまして、研修会の講師をする機会に恵まれました。

私は目立つのが好きではなく、できれば人前には立ちたくないタイプなのですが「人に教える」というアウトプット作業は、自分にとっても良い勉強になり、刺激を受けることもあるので、積極的に引き受けるようにしています。

これは独立前は想定していなかった収入ですので、完全に運というか、巡り合わせですね。講師報酬は、10,000~30,000円と様々です。無名の行政書士にお金を払っていただけるなんて、それだけでも本当にありがたや。

後見の需要が増えていって、自分の知名度も多少なりとも上がっていって、結果として「後見と言えば、むーさん」くらいに言われるようになれば、講師報酬の単価も上がるかなぁ、なんて夢をちょっとだけ見ています。宝クジくらいの感覚で。

独立3年目 ~2023年~

2023(令和5)年 1月802,000円 2月78,000円 3月25,000円 4月50,000円 5月252,000円 6月257,000円 7月535,000円 8月541,000円 9月0円 10月38,000円 11月252,000円 12月1,002,000円

3年目は3,832,000円でした。(12か月で割って、月平均319,333円)

公務員時代にはあり得なかった、なんという上振れ下振れの激しさでしょうか。乗り物で例えれば、遊園地のジェットコースター状態ですね。

いまだに月収が0円という月がありますが、メリハリがあってとっても楽しいですよ。

でも「楽しい」と言っているのは、若干の強がりを含みます 笑。

やはり、安定した給料を毎月決まった日にもらえるという魅力は大きいものです。

「自分が何を大切にするか」という価値観・考え方によりますので、ジェットコースターを楽しめるもいれば、耐えられない人がいるのも当然です。むしろ、多くの人は安定を好むと思います。

かく言う私も、つい3~4年前までは、あまり変化は好まずに「現状維持こそ正義!」でしたから。

正直、「3年目で400万円に届かないのか。なんか思ったより、しょぼいな…」というのが、一般的な感覚ではないでしょうか。

しかし「制度を知っているか、否か」「控除や経費を利用できているか、否か」によって、見えてくる景色は違ってくるのです

(リベ大 両学長) 第89回 お金の勉強をしないと、あなたは一生搾取され続ける【お金の勉強 初級編】

(以下は、決して会社員や公務員の方をディスっているわけではありませんので、誤解されないように、あらかじめご了承ください。)

会社員や公務員は、手元にお金が来る前に税金を引かれてしまいます。源泉徴収ってやつですね。

でも、個人事業主は、控除したり経費を支払ってから、税金を計算するので、お金を手元に多く残せる手段があるです。

使える控除の多さや、経費を支払うのが先か後かによって、年収の額面以上に実際に感じる豊かさが異なります。「事業のため」という名目なら、ほぼ全てが経費にできます。

小規模企業共済(掛金を全額控除できる貯金)や、車両費、ガソリン代、自宅兼事務所の場合は水道光熱通信費も、案分して経費にできちゃうのです。

控除や経費の何が良いのか、って?

それは、先ほども述べたように「税金を最適化(できるだけ安く)できるから」に尽きるでしょう。

巷では「サラリーマン増税の時代」なんて騒がれていますが、税金や社会保険料に対してできる対策があるか・ないか、というのは、今後もっとクローズアップされていくでしょう。

まぁ、今の制度がずっと続くとも限りませんけどね。制度が変わった時は、その時に対策を考えましょ。

(リベ大 両学長) 第100回 【SNSで怒りの声】巷で話題の「退職金増税」について分かりやすく解説【トレンド】

そして何よりも「自分が、がんばった分だけ、まだまだ収入を上げられる」というモチベーションが大きいですね。

公務員時代は「そんなにがんばったって、給料が上がるわけでもないし」という意識が、多かれ少なかれ、ありました。

しかし今は、「依頼者が1人増えれば、その分、自分の収入が上がる」のです。がんばろうって気になれるってもんです。

ただ、私の場合は、公務員時代に長時間残業で体調を崩した経験があるので、とにかくお金のために限界を超えてがんばる、ということは考えていません。

自分の時間も大切にできる、ちょうど良いラインを試行錯誤しながら、加減を見ながら、実践中です。

後見人報酬の基本額

後見人報酬の基本額は、一人につき240,000円/年です。

財産の額が1,000万円以上とか、5,000万円とか、一定の金額を超えるような場合は、報酬の基本額が増えることもありますが、私が支援している方は、ほとんどお金のない方ばかりですので、あんまり関係ないかな。

1年間の支援が終わったら、家庭裁判所に1年間の仕事内容の「報告書」とともに、「報酬付与申立書」を提出して、最終的に家庭裁判所の決定により金額が決まります。

報酬額の目安は、原則として、在宅なら月額20,000円(×12か月=年240,000円)、施設なら月額18,000円(×12か月=年216,000円)です。

特別な事情があれば、「報酬付与申立事情説明書」を作成して提出することで、相当額の報酬が付加される場合があります。

ご本人に対して行った金銭管理や書類手続きの支援で、通常の支援よりも大変な手間がかかったことがあれば、もれなく記入して裁判所に報告します。

提出したからといって必ず増額されるわけではありませんが、説明書を提出しないと手間がかかったことを裁判所に知ってもらう方法がありませんからね。

私が今までいただいた報酬額は、一人あたり、最低額が216,000円最高額が498,000円(基本額に加えて、遺産相続や施設入所の手続きなどの支援をして、付加報酬が認められた時)でした。

独立当初は「ザックリ計算で12人以上の支援ができれば、生活は維持できるかな」と見込んでいました。よほど生活水準を上げたり、ムダな浪費をしなければ、十分に暮らしていけるでしょう。

さらに「もしも、それ以上の人数を支援できれば、その分だけ他の支出に回す余裕ができてくる」ということも考えていました。それが実現できるように、努力している最中です。

余談 ~ふるさと納税やってみた~

ちょいと余談にはなりますが、お世話になっている税理士事務所さんとの雑談で、「ふるさと納税に興味あるんですよね~」という話をしたら、「オススメです。今年の年収の見込み額がわかるなら上限額の目安もわかりますよ」とのことで、今年初めてやってみました。

楽天ふるさと納税の「まずは寄付限度額をチェック!」というところから、かんたんシミュレーター(2023年分)で「年収300万円」「既婚・配偶者控除なし」「扶養家族いない」と入力して試算してみたところ、寄付上限額(目安)は29,717円、と算出されました。必ず生活で使う日用消耗品がいいかな、と思って返礼品を探し、2つの市町村に計28,000円の寄付をしました。

これだけで、実質2,000円の負担で、トイレットペーパー72ロール分とティッシュ60箱が送られてくるのか~、届くのが楽しみです。あとは、来年の確定申告で必要な書類を添付するのを忘れないようにすればOK、と。

またまた巷では、今年9月の申込分までは現行制度のままだけど、10月以降の申込は制度変更により返礼品の質・量が下がるかも、と騒がれていますので、8月にやってみた次第です。来年のことは、また来年考えましょ。

(リベ大 両学長) 第102回 【知って得する】学長が選ぶ「お得」「トレンド」お金のニュースBest8【トレンド】 10:06 ④【厳格化】意外と知らない!?10月からふるさと納税のルールが変更に

今回も最後までお読みいただきありがとうございました~。

コメント

  1. すー より:

    こんばんは!
    ご謙遜されていましたが、少なくとも私はためになりました笑

    なるほどなー、の連続でスパチャあるならとっくに課金してます!いつもありがとうございます😊

    一つおたずねしたいです。
    今後、成年後見のお仕事は拡大する予定でしょうか?
    むーさんの体調等は大前提ですが…それがクリアできれば、今10数人の所を20数人にすることはできるのでしょうか?成年後見の可能性について、差し支えない範囲でご回答いただけるとうれしいです!

    • gyouseishosi-mu gyouseishosi-mu より:

      すーさん、コメントありがとうございます~。
      ご質問への回答ですが、【結論】としては「できる」と考えています。

      【理由】は、①今の自分の実感として「もうちょっと増やせそうだ」と感じていること。②社会福祉士の方とのお話した機会があり、内部基準で「20人まで」と決められているらしいこと。「客観的にも20人というのが一つのラインになっているのかな」と思っています。 

      【条件】としては、①自分の体調と自由な時間が優先できる範囲であること。②成年後見以外の仕事に手を広げる予定がないこと。の2点です。

      【方針】としては、3人刻みくらいで様子を見ながら仕事をしています。具体的には、12人受けたら、半年様子を見る。増やせそうなら15人まで受ける。大丈夫だったら18人に…、という感じです。

      明るく舗装された道路ではなく、薄暗いデコボコ道を歩いているので、本当に今も手探りなんですよね(笑)。
      「誰にでもあてはまるような正解はない」と思っていますので、「周りの情報を参考に、自分で基準を作って、行動しながら、柔軟に修正していく」しかないのかなぁ、と考えています。

      少しでも参考になれば幸いです😄

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