「独立・開業を考えているけど、いろいろな不安があって、なかなか最初の一歩が踏み出せない…。」という方もいらっしゃるかもしれません。
今回は、以前、ある質問者さんからいただいた、さまざまな質問に対して、私の回答をお話します。
行政書士に限らずとも、「公務員や会社員などを辞めたい…。」と考えている方に向けて、何かのヒントになれば幸いです。
独立することに、不安はありませんでしたか?
正直なところ、期待4:不安6の割合で、不安の方がやや大きかったです。
「できるだけの準備はした!独立してがんばるぞ!」という意気込みも当然あったのですが、安定した仕事の代名詞みたいな公務員を辞めて、なんの保証もないチャレンジをするわけですから、不安が全くなかったと言えばウソになります。
でも、できる限り成功率を高める準備をしたら、あとは「走りながら考える」しかないですね。
実際に走り出してみて、やってみてダメだった部分がわかれば、修正するだけです。
修正のためのヒントや情報は、知人に聞いてみたり、ネットで検索してみたり、今の時代は実に様々な方法を見つけることができるので、とてもありがたい時代だなと思います。
ただし「失敗しても致命傷を負わないように」「同じ失敗を繰り返さないように」という点は、常に意識しています。
独立・開業前は「もし失敗したら…」「成功する保証がなければ挑戦なんてできないよ」という不安とは、常に戦っていました。なんなら独立・開業した後の、今でも戦っていますがw
要は「不安はいつまで経っても無くなるものではない。じゃあ、どうやって上手く付き合っていこうか?」というように、良い意味で開き直る、悟ってしまう、そんな考え方も時には大事です。
実務は、どのように学びましたか?
実務は学んだというよりも、18年間の公務員での経験が大きいです。
経験したことのある手続きであれば慣れたものですし、もし新しい仕事に出くわしたとしても、経験から「必要な手順や書類はだいたいこんな感じでしょう」と推測できます。
「量は、質に転化する」という言葉の意味するところですね。
方向性を間違わずに、正しく努力すれば、時間をかけて量をこなすことにより、短い時間で良質な仕事ができるようになります。
文明の利器、グーグル先生で検索して、情報を集めて整理する方法も有効ですね。
今は情報にあふれていますので「何が 本当に役に立つ 大事な情報か」を自分で取捨選択しながら、整理整頓できないと大変な時代だと思います。
あとは現場での実践が何よりの学びです。
「知的好奇心を満たす」という点では、AIがあろうがなかろうが、人間にとって永遠に大切なことだと思います。
最近、ちまたではAIの技術進歩がすさまじく「士業の仕事はなくなる」なんて予測もあったりしますが、私は「認知症の高齢者や障害者の方とコミュニケーションを取って、心配ごとを汲み取り、解決のお手伝いをする」という分野は、AIの力がまだまだ及ばない領域だと思っています。
初めての売上(ファーストキャッシュ)は、どんな内容でしたか?
家事代行としての初の売上は、「冷蔵庫が壊れたので買い替えを手伝ってくれ」という一人暮らしのお年寄りからの依頼で、5千円いただきました。
少額ではありましたが「人生で初めて自分で稼いだお金っていう実感」があったので、めちゃくちゃうれしかったのを今でも覚えています。
行政書士としての初の売上は、「市外に住む兄弟のために戸籍を取って郵送するのを手伝ってくれ」という方からの依頼で、窓口まで行って手続きをサポートしたりしました。
状況把握などに手間と時間がかかり、相談を受けてから足掛け2~3日くらいの仕事となりましたので、依頼者さんのご厚意もあり、報酬として1万円いただきました。これもホントうれしかった~。
成年後見人以外には、どんな仕事をしていますか?
これまでやったことのあるお仕事は、戸籍交付など市役所での手続きのお手伝い、成年後見制度勉強会の講師、様々な契約書作成などです。
市役所に提出する書類は、なんとな~く書き方はわかりますので、公務員時代の経験を強みにして仕事させてもらっている感じですね。
自分が普段やっていたので「そんなに難しくない」と感じるような書類でも、普段やっていない方にとっては「難しいので、お金を払ってでもお願いしたい」という仕事はあるんだな~、と独立してから思いました。
公務員の皆さん、普段、何気なくいろいろな書類作りをしておられるかもしれませんが「こんなの誰でもできるよ」と思うような仕事でも、意外とすごいことしているかもしれませんよ。稼ぐ力に直結しています。
私の場合、「こんなことはやってくれますか?」という相談があり、半日かからずに、すぐにできるような書類なら、基本5千円で引き受けています。
でも、お金に困っている方からの依頼だと、5千円でも気が引けますね…。報酬の額は、毎回、実際に着手する前に仕事の難易度を加味して「このくらい、いただいてもよろしいですか?」と説明して、了承を得るようにしています。
まとめ
独立・開業するにあたっての不安や悩みは、常にあります。
でもそれをゼロにすることは、できません。
なので、ある程度の準備ができたら走り出します。
やってみてダメだったら、その時に直します。
改善方法は、本を読んだり、ネットで調べたり、知っていそうな人がいれば質問をします。
少し探せばいろいろな解決方法、または解決のヒントはあるのです。
「悩み続けるのは、何も進展しないので、悩む時間がもったいない」と個人的には思います。
たま~に時間が解決してくれる問題というのも確かにありますので、一概には言えませんけどね。
今回も最後までお読みいただきまして、本当にありがとうございました~。
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