行政書士開業について Q&A⑥

Q 生活防衛資金は、いくら確保しましたか?

A 生活防衛資金とは、独立・開業をして間もないころの1~2年程度、収入がゼロとなったとしても生活を守ることができる預貯金のことですね。

人によって、「生活防衛資金が、いくら必要か?」は異なります。

なぜなら、人によって1か月あたりに必要な生活費は違うからです。

それを承知のうえで、具体的に必要そうな生活防衛資金の金額をズバリ言うと「約500万もあれば、2~3年は大丈夫だろう」と個人的に思います。

生活防衛資金のことを考えるうえで、まず、何より大事なのは家計管理です。

家計管理とは、守る力を高めて生活の満足度を下げずに、毎月の出費を抑えるための工夫や努力をすることです。

私の場合は、1か月の生活費として、食費や水道光熱費などを合わせて約5~10万円以内、それと住宅ローン返済が約10万円、合計20万円以内になるように支出を抑えました。

月20万円 × 12か月 × 2年 = 480万円 + 予備費を準備しておき、仮に無収入の期間が2年続いたとしても戦える、と心の安定につながりました。

誤解してほしくないのは「500万円ないと独立できない」という意味ではない、ということです。

毎月の生活費が、独身なので5万円で足りる人もいれば、養う家族がいて30万円あっても足りない人もいます。

人それぞれのその時の環境・条件によって変化しますので、月5万円 × 12か月 × 2年 = 120万円あれば、しばらくの間は戦える人もいる、ということです。

ただ、生活防衛資金がほぼゼロ(あえて具体的な金額で言えば100万円未満の状態)で独立をする、というのは、個人的にはおすすめできません。

預貯金が少ない状態で、いきなり独立するのは単なる危険な行為でしかありません。

なぜなら、独立して最初のうちは稼げない = 収入がゼロ の状態になることが当たり前だからです。

その時は何年かの時間をかけて、せめて100万円以上の預貯金を貯めてから、次のステップを考えた方が良いでしょう。

「無一文からチャレンジして成功してやるぜ!」というストーリーは、他人事としてエンタメとして見る分には、とても楽しいお話ですが、自分ごととして考えるのならば、私は選択肢から外します。

Q 数ある士業の中で、なぜ行政書士を選んだのですか?

A 前回の「士業を目指したきっかけや理由」の中でも触れたとおり「一定の社会的信用の裏付けが必要だと考え、公務員歴17年以上で取得できる行政書士の資格を得た」という回答になります。

入会金20万円が必要だったり、維持費として年6万円の年会費などを支払い続けたり、多少のお金はどうしても必要になりますが、これはもう織り込み済みで、やむを得ない経費だと思っています。

Q 事務所は、自宅兼事務所ですか?それとも自宅とは別の独立した事務所ですか?

A 自宅兼事務所です。

メリット … 通勤時間ゼロ。仕事をしたい時にする。休みたい時に休める。水道光熱費を事業用と生活用で案分して、一部を経費にできる。 など

デメリット … 考えようによっては、ずっと職場にいるような感じにもなるので、メリハリがつけにくいかも。

でも私は家にいるのが大好きな、ひきこもりタイプなのでデメリットがないのですw よきかな

行政書士を開業する前の注意点になりますが、一回だけ地域支部長による事務所訪問があります。

これは「本当にそこに事務所を構えているのか?」や「どの部屋で仕事をし、どの部屋で来客対応するのか?」などの仕事環境の確認のためです。

でも、特別な準備をする必要はありません。

私の時は、お茶をお出しして今後の仕事の展望などの雑談をして、30分もかからずに終わりました。

もし、士業での独立開業を検討する際には「事務所をどうするか?」が、一つの課題になりますね。

私は、お客様との面談などが必要な時であっても、自宅兼事務所に招いてお話をする、ということはほぼありません。

相手方の自宅におじゃましたり、利用している施設に伺ったり、場合によっては喫茶店や公共スペースなどでお会いする、というスタイルでお仕事をしています。

Q 行政書士会から仕事をまわしてもらえることはありますか?それとも、ただ単に入会しているだけですか?

A 「ただ単に入会しているだけ」です。

入会1年目の新人研修のような会に1度だけ、参加した記憶はあります。

厳しいようですが、「会から仕事をまわしてもらう」ようなことは、初めから期待しない方が、心構えとしては大切かもしれませんね。

あ、そう言えば、入会2年目に「会としても今後は成年後見の取り組みを進めたいと考えていて、公務員経験からの実例をお持ちだと思うので、会員向けにお話をして欲しい」と依頼され、制度概要と経験談を1~2回ほど講演したことはありましたね。

「えっ、入ったばっかりのぺーぺーが、経験豊富なベテラン相手にそんな講師なんて、生意気そうな事をしてもいいの?」「引っ込み思案だから、あまり人前に立つようなことはしたくないんですけど…」とも思いましたが、地域支部長から直に依頼されては断れませんでした。

会の内部研修みたいなものですが、きちんと報酬もいただけました。

しがらみなく仕事をしたいから独立したのに、なんかしがらみができそうだったで、少しだけ躊躇したのですが「人に教えること = アウトプットすること = 自分が一番勉強になる = 自分の成長につながる」と考え、思い切って引き受けました。やって良かったと思います。

Q 公務員を退職して行政書士になった人と、資格試験に合格して行政書士になった人と、何か違いはありますか?

A ん~~、正直わかりませんw ごめんなさい。

会の活動にほぼ参加していないので「誰がどんな経験をお持ちで、どの分野の仕事に強い」みたいな情報がないので、判断ができないのです。

こんなこと書くと偉そうですが、結局は個人の能力次第、としか…。

どんな組織でも、優秀な人は優秀だし、きつく聞こえるかもしれませんが、ダメな人はダメです。

優秀とかダメとかに差別的な意図はなく、人間である以上は能力にばらつきがあるのは、否めません。

組織の良いところは、その能力のばらつきをチームワークによって、ある程度は補い合えるという点です。

しかし、個人事業主は「自分ひとりの力で稼ぐ」が原則ですからね。

個人の力で打開する、ということが必須になってきます。

「ここは誰にも負けへんよ」という強みや尖ったところがなければ、稼ぐことはできないと思います。

私の場合の強みは、成年後見です。

強みがあれば、当然、弱みもあります。

私はしがらみが苦手で「自分ひとりの決断でサクサク仕事を進めたい」と思ってしまうタイプなのですが、当然、そのやり方では限界があります。

「必要な時は必要な人と協力する」ことの大切さも、市役所組織にいたので十分認識しているつもりです。

「一人でやれる範囲で、やりたいようにやる」という自由の代わりに「スケールすることはない = 規模を大きくして大きく稼げることはない」やり方であることは、自覚しながらやっています。

労働集約型ビジネスモデル = 人間の労働力に依存する割合が高い構造の事業 の限界ですね。

「そもそも自分はどの程度のお金を稼ぎたいのか」を見据えて「自分の強みと弱みとは何か」を認識して「どうやったら適正に自分の報酬をいただく仕組みを構築できるか」が大切だと思います。

Q 公務員時代と比べて、独立してから方が「豊かな人生」であると感じていますか?

A 間違いなく、今の方が「豊かな人生」です。なによりも「自由」を感じています。

「自分でやろう」と決めたことを自分でやっているので、他人にやらされている感がなくなりました。

「やりたくないことをやらなくてよくなった」という開放感がすごくあります。

逆に言うと「やりたいことが定まっていないと、何をしてよいかわからなくなってしまう」かもしれません。

自分が何をしたいのかを見定めるためにも、「やっぱり価値観マップは大事だな」と思います。

時間的な自由 … 仕事の段取りを自分の一存で組めるのは、とても良いです。

テトリスみたいに「この予定はここに積んで、次の予定はあそこに積もう」と常に状況判断して、場合により柔軟に変更します。

自分でスケジュー組むことを楽しめない人は、自由であることが、逆に少し大変に感じるかもしれません。

精神的な自由 … 人との関わりが減ったので、私はかなり楽になりました。

もちろん支援に必要な最低限の手続きや調整などは今もしますが、公務員時代の「意味ね~んじゃね?」と個人的に感じてしまうような仕事やら会議やらは、やらなくてよくなったのでw

経済的な自由 … まずは3,000万、次に4,000万、最終的に5,000万円の小金持ちを目指している途中です。

今、使うことのできる有効な制度・方法(家計管理をベースに、NISA、小規模企業共済、あらゆる経費・控除の活用、マイクロ法人による社保最適化など)をリベで学びながら行動を続けています。

ある意味で、もうすでに自分はサイドFIRE = 「一定の貯蓄があり、足りないお金は自分のやりたいことで足りない分だけ稼ぐ」を達成しているんじゃないのか、と感じる時もあります。

でも、最終的にはフルFIRE = 「仕事をしても、しなくてもよい自由」を達成してみたい、という気持ちも持っています。

「10年後(55才のころ)には、少しでもフルに近づいていたいな」と思いながら、今日も目の前のことに一生懸命、取り組んでいます。

リベシティには「自分の求める人生の自由を目指して、学びながら行動している」、そんなレアな人がゴロゴロいます。稀有な場所です。

「独りじゃない」って思えますし、日々、元気づけられています。

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